さて、前回はさくらのレンタルサーバーにwp-cliをインストールし、wpコマンドでwp-cliのバージョン番号が表示されるところまでを確認しました。今回はいよいよwpコマンドを使ったWordPressのインストールです。WordPressをインストールするにあたり、以下の情報をテキストで手元に用意しておくと便利です。
- 自身のメールアドレス
- さくらのレンタルサーバーのデータベースサーバー名
- データベース名
- データベース接続用のIDとパスワード
WordPressインストール前には、上記のほかに以下の項目を決めておきます。
- ブログのタイトル(英数文字で作成します。これは後から変更可能です。)
- WordPress管理画面 ログイン用IDとパスワード
WordPressをどこにインストールするか
まず、WordPressをどこにインストールするか、について理解する必要があります。「どこ…って言われても、さくらのレンタルサーバーでしょ?」と思われるかも知れません。もう少し噛み砕くと、WordPressをどのディレクトリにインストールするかということを決めなければなりません。前回、ホームディレクトリで実行したlsコマンドを思い出してみましょう。
% ls MailBox bin db ports sakura_pocket sblo_files www
% ls -l total 28 drwx------ 3 example users 512 Mar 13 2009 MailBox drwxr-xr-x 2 example users 512 Feb 13 23:39 bin drwx------ 2 example users 512 Mar 13 2009 db drwx------ 12 example users 512 Feb 6 10:37 ports drwxr-xr-x 2 example users 512 Jan 27 2015 sakura_pocket drwxr-xr-x 2 example users 512 Mar 13 2009 sblo_files drwx---r-x 2 example users 512 Feb 13 21:58 www
さくらのレンタルサーバーでは、ホームディレクトリの下にいくつかのディレクトリが最初から用意されていることは前回説明しました。これらディレクトリには、それぞれ以下の役割があります。
ディレクトリ名 | 役割 |
MailBox | メールボックス (受信した電子メールはここに格納される) |
db | クイックインストール機能に関するインストーラや管理情報などが保存されるディレクトリ |
ports | クイックインストール機能に関するインストーラや管理情報などが保存されるディレクトリ |
sakura_pocket | 「さくらぽけっと」で使用するディレクトリ |
sblo_files | 「さくらのブログ」にアップロードした画像などが格納されるディレクトリ |
www | ウェブページの公開コンテンツを保存するディレクトリ |
これらディレクトリの他、さくらのレンタルサーバーに関する仕様は、さくらのサポート情報 【さくらのレンタルサーバ】基本仕様 ページを確認しましょう。
WordPressはウェブページとして公開するので、 /home/example/www の中へインストールするということになります。
wpコマンドでWordPressをダウンロードする
以下のコマンドで、WordPressをダウンロードします。
% wp core download --path=/home/example/www/ --locale=ja Downloading WordPress 4.4.2 (ja)... Success: WordPress downloaded.
ユーザー名(ホームディレクトリの名前)が長い場合は、以下のように、ホームディレクトリを変数に代入して短くすることもできます。
% wp core download --path=${HOME}/www/ --locale=ja Downloading WordPress 4.4.2 (ja)... Success: WordPress downloaded.
wpコマンドの後に続く「core」と「download」はサブコマンドです。その後に「–path」と「–locale」の引数を与えて実行します。特にバージョン番号を指定しない限りは、最新のWordPressがダウンロードされます。
wpコマンドでデータベースの設定を行う
wpコマンドでWordPressをダウンロードした後は、すでに作成済みのMySQLデータベースをWordPressへ設定します。これもwpコマンドを使って行います。
項目 | パラメータ | 備考 |
dbname | example_wp0001 | DB作成時に決めたデータベース名 |
dbuser | example | データベース接続ユーザー名 |
dbhost | mysqlXXX.db.sakura.ne.jp | XXX には指定されたサーバー名の数字が入ります |
dbpass | P@SsW0rD | DB作成時に決めたパスワード |
% wp core config --path=${HOME}/www/ --dbname=example_wp0001 --dbuser=example --dbhost=mysqlXXX.db.sakura.ne.jp --dbpass=P@SsW0rD Success: Generated wp-config.php file.
上記コマンド正常終了メッセージにある通り、 ${HOME}/www ディレクトリの中に wp-config.php ファイルが生成されました。
wpコマンドでWordPressをインストールする
いよいよWordPressのインストールです。
% wp core install --path=${HOME}/www/ --url="example.sakura.ne.jp" --title="example's 1st BLOG." --admin_user=example --admin_password="Bl0Gp@SsW0rD" --admin_email="oresama@example.com" Success: WordPress installed successfully.
上記コマンド実行直後に、ブラウザで http://example.sakura.ne.jp/ を開いてみましょう。
このような画面が表示されていれば、インストールは成功です。
WordPress 仕事の現場でサッと使える! デザイン教科書 (Webデザイナー養成講座)